集成材のテーブル・カウンターについて

目次

1.集成材のテーブル・カウンターにするメリットについて

2.集成材のテーブル・カウンターにオススメの樹種について

3.集成材のテーブル・カウンターの形状について

4.集成材のテーブル・カウンターのサイズについて

5.集成材のテーブル・カウンターへの加工について

6.集成材のテーブル・カウンターへの塗装について

7.まとめ

 

 

1.集成材のテーブル・カウンターにするメリットについて

  自宅での勉強、食事、仕事やオフィスでの業務で欠かせないテーブルやカウンター。新型コロナウイルス感染症の拡大に伴ってリモートワークが増えている中、自宅のテーブル・カウンターを大きくするために集成材をご購入いただくお客様が増えています。また、冬場にはこたつの天板として使われるお客様も多くいらっしゃいます。

テーブル・カウンターの素材としてはメラミンやポリ合板で作られたものもありますが、できるだけ自然素材に触れて過ごしたいという方には、やはり木材がおすすめです。
木材にも色々と種類がありますが、無垢材でテーブル・カウンターを作ろうとするとサイズが大きくなればなるほど高価になってしまい、材料の反り止めも考えないといけません。
一方、集成材でテーブル・カウンターを作る場合には無垢材に比べてより大きなサイズを作ることができ、価格も安く、反りも無垢材に比べて少ないというメリットがあります。

ここで簡単に集成材について説明します。
集成材とは、厚さ30mm程度の小さな角材を、柾目・板目方向に関係なく、繊維方向を揃え、接着剤を使い、フィンガージョイントにより必要な厚さ・巾・長さに接着した材料のこと。
木の繊維方向をうまく按配することで、強度を出したり、狂いを防ぐことができ、無垢では難しい大断面や長尺の材料を作ることができ、無垢に比べ、反り・割れが少なく、品質が安定しつつ、木そのものの木目や木肌をそのまま楽しむことができます。
集成材が考えられた最初の動機は、無垢材では求めることができない「太く長い柱」や「巾の広い板」が欲しかったからだと言われています。
そこで、下図のように 長さ・巾・厚さ の方向に接着して、必要な大きさの部材にしたものが集成材です。

集成材とは

規格製品もあり、「フリー板」と呼ばれています。
繊維が異なった方向で接着されているので、木材のもっている収縮などによる動きが、ある程度抑制されるのが特徴です。
また、集成材には多くの種類があり、大きくは「構造用集成材」と「造作用集成材」に分けられます。

呼び方も様々で「積層材」「集成材」と言われたり、無垢材が集成してできているので「ムク集成」と言われたり、無垢のブロックが集まっているため「ブロック集成」とも言われます。

集成材の特徴

  • 無垢材に比べ、反り・割れが少ない。
  • 巾が広い板、長い板も可能。
  • 単価計算をしやすい。
  • 木目も楽しめる。
  • 細かい材を集めて作るため、資源効率が良い。(つまり、エコ)

積層

2.集成材のテーブル・カウンターにオススメの樹種について

 テーブル・カウンターは長く使うものなので、なるべく堅くて傷つきにくいものがオススメです。
 材木商店では30種類以上の集成材を扱っていますが、大きく針葉樹と広葉樹に分けられ、針葉樹は軽くて軟らかく、広葉樹は重くて堅い特徴があります。
 針葉樹の集成材で主な取り扱い樹種としては、以下のような樹種があります。

広葉樹の集成材で主な取り扱い樹種としては、以下のような樹種があります。

 テーブル・カウンターは堅めのものを希望される方が多いので、広葉樹が多く使われています。また、できるだけ安い材料を希望される方はゴム集成材を使われる方が多いです。ゴム集成材は色が白っぽく、塗装で着色をしやすいのでオススメの素材です。
 タモ集成材やナラ集成材もゴム集成材より少し高いですが、よく使われる樹種です。より高級な樹種を使いたい方にはウォールナット集成材やチーク集成材がオススメです。

3.集成材のテーブル・カウンターの形状について

 テーブル・カウンターは四角形のものが一般的ですが、何の加工もせずに使用すると角にぶつけて怪我をしてしまったり、手を切ったりしてしまうので注意が必要です。
 材木商店では基本的な平面形状として以下の12パターンをご用意しています。

  • 四角形:加工のない板の状態で、追加で平面加工を選択してお好みの形状にできます。
  • コーナーA型:扇型の形状で、部屋の隅のコーナーに最適です。
  • 片角アール加工:1つの角にアール加工をつける形状です。
  • 両角アール加工:両角にアール加工をつける形状です。
  • 片側アール加工:片側にアール加工をつける形状です。
  • 全角アール加工:全ての角にアール加工をつける形状です。
  • 片側U型アール加工:片側に半円のアール加工をつける形状です。
  • 両U型アール加工:両側に半円のアール加工をつける形状です。
  • 円型:板からくり抜いた円の形状です。
  • 半円型:板からくり抜いた半円の形状です。
  • 正三角形:板からくり抜いた正三角形の形状です。
  • ニッチ型加工:飾り棚に最適です。

 壁にくっつけるテーブル・カウンターの場合は壁側には加工しないのが一般的です。壁につけないテーブル・カウンターの場合は平面の4角を丸めたり、斜めにしたりすることが多いです。
 本棚や収納棚の棚板は四角形のまま使われることが多いです。

 上記の基本的な平面形状以外でもスケッチや図面をメールやFAXで頂ければ特注対応も可能です。お気軽にお問い合わせください。

4.集成材のテーブル・カウンターのサイズについて

 色々な用途のためにテーブル・カウンターのサイズを決める際に注意してもらいたいことが3点あります。
 1点目は入口から搬入し、設置する場所まで移動することが可能なサイズであるかを確認してください。特にマンションなどではエレベーターに入るサイズかどうかの確認が必要です。

 2点目は、壁と壁に挟まれるようなテーブル・カウンターは壁と壁の内法寸法よりも3mm以上は小さくしてサイズを決めてください。テーブル・カウンターのサイズを壁と壁の内法寸法にしてしまうと、壁を傷つけてしまう可能性があります。

 3点目はテーブル・カウンターの厚みです。木材全般に共通して、水分の吸湿・乾燥などによる反りが生じます。集成材は無垢材に比べて反りづらい材料ですが、サイズによっては大きく反ってしまいます。
 厚みが薄くなるほど材料代は安くなりますが、薄くしすぎると反ってしまって使えなくなってしまうので、ご注意ください。一般的な住宅に使われる集成材のテーブル・カウンターの厚みは30mm以上になり、本棚や収納棚などに使われる棚板の厚みは20mmが多いです。

 あくまで目安ですが、厚みと巾は以下を参考に決めてください。

厚み20mmの場合、巾300mmまで
厚み25mmの場合、巾400mmまで
厚み30mmの場合、巾500mmまで
厚み36mmの場合、巾600mmまで
厚み40mmの場合、巾700mmまで
厚み45mmの場合、巾800mmまで

もしテーブル・カウンターが反ってしまった場合でも、反りを治す方法があります。
反りを治す方法についてはこちら
また、塗装をすることでも反りを抑えることができます。

5.集成材のテーブル・カウンターへの加工について

テーブル・カウンターへの加工には大きく平面加工と断面加工の2つがあります。
 平面加工とは、木材を上から見た時の平面に対する加工です。材木商店では上記の(3)で記載した基本的な平面形状にオプションで平面加工をすることが可能です。(一部形状は除きます。)
 自動見積もり対象のオプション加工は以下の6種類になります。

  • 角丸め:角にぶつかっても怪我しにくくなります。
  • 角落とし:壁の一部が出っ張ったり、引っ込んでいたりした場合、スペースをできるだけ有効活用することができます。
  • 斜めカット:角にぶつかっても怪我しにくく、スペースをできるだけ有効活用することができます。
  • 内丸め:丸い柱につけて使用する場合や、デザインとして活用できます。
  • 丸穴:延長コードなどの配線を通すことができます。
  • 四角穴:延長コードなどの配線を通すことができます。穴の4隅は通常8Rになりますが、直角にすることも可能です。

上記の平面加工以外にもスケッチや図面をメールやFAXで頂ければ特注対応も可能です。お気軽にお問い合わせください。

断面加工とは、木材を木口(横)から見た時の断面に対する加工です。材木商店で自動見積もり対象のオプション加工は以下の8種類になります。

  • 上下糸面
  • ボーズ面
  • 上下5mm面
  • 上下10mm面
  • 上下5R面
  • 上下10R面
  • ギンナン面
  • ナイフ面

 棚板は上下糸面がよく使われますが、テーブル・カウンターはできるだけ大きく断面加工したほうが、ぶつかった時に怪我をしにくくできます。
 上記の断面加工以外にも、サジ面や建具用の溝加工も特注対応することができます。

DIYで木材を正確にカット、加工しようとすると、非常に難しく、作業スペースだけでなく工具も経験も必要になります。自分で作ったほうが楽しく、面白いものですが、どうしても難しい加工については自社工場を持ち、CNCルータで正確に加工できる材木商店にお任せください。

6.集成材のテーブル・カウンターへの塗装について

 テーブル・カウンターを長く使い続けるためには塗装は欠かせません。塗装をすることで、木材の美観を高め、長く維持し、汚れや水分から木材を保護して耐久性を高めることができます。
 ホームセンターで塗料を買って塗装する場合、塗装スペースだけでなく刷毛(ハケ)などの道具も必要になり、臭いもするので注意が必要です。
 また、塗装は見える部分だけでなく、見えない部分にも塗装することが重要です。見える部分だけに塗装をすると、塗られていない部分から水分の吸湿・乾燥が進み、反りの原因になります。

材木商店での自動ご注文・お見積り対応の塗装は「加工あり積層材(集成材)」ではウレタン塗装のみ、「加工なし木材」ではウレタン塗装と自然塗料です。
なお、「加工あり積層材(集成材)」でのウレタン塗装の標準仕様は、セミオープン塗装・3分ツヤになります。「加工あり積層材(集成材)」で標準仕様以外のウレタン塗装をご希望の場合は、別途お見積りいたします。
 また、自動見積もり対象の色以外にも赤色や青色といった色にも特注対応いたします。

 ウレタン塗装は合成樹脂塗料による塗装です。木材表面に塗膜を形成し、保護膜となるため、耐摩耗性・耐久性に優れ、傷がつきにくく、以下のような特徴があります。

  • 樹脂でコーティングするため、手触りはつるつるしている。(樹脂の手触り)
  • 塗膜が強いため、汚れやシミに強い。
  • 耐候性がよいため、割れや反りが起こりにくい。
  • 定期的なメンテナンスの必要がない。
  • 古くなると(15~20年くらい?)劣化により表面の樹脂がはがれてくる。再塗装は工場へ持ち込み。

 自然塗料は植物由来の天然成分を主原料とした塗料による塗装で、木材に含侵し、塗膜を形成しないため、木材本来の調湿機能を妨げず、自然の風合いを保ちます。光沢はあまりなく、ざらざらとした手触りで、以下のような特徴があります。

  • 塗料は含侵するため、手触りは木材の感触。
  • 塗膜を形成しないため、汚れやシミがつきやすい。(すぐに拭き取れば問題ありません)
  • 塗膜がないので、急激な乾燥などで割れたり沿ったりする可能性がある。へこみやすいが戻りやすい。
  • 数年に一度、オイルの塗り直しが必要。

7.まとめ

 テーブル・カウンターを作るにはどの場所でどのように使うかによって、樹種、形状、サイズ、加工、塗装を考える必要があります。そして、素材だけ買って加工と塗装は自分で行うのか、それとも全てプロに頼むかも悩みどころです。
 材木商店ではお客様のこだわりが詰まったテーブル・カウンターをお届けし、計画通りに設置できた時の喜びの声を多くいただいています。
 天板、テーブルについて何か分からないことがあればお問い合わせ、メール、電話、FAXでお気軽にご相談ください。

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